■働きません/山田ユギ
山田ユギのは何でも好きなんですけど、これは年下攻めの中でも物凄く可愛いです。これと「開いてるドアから失礼しますよ」とでせめぎ合うな~。このひとの漫画はBLだけど登場人物がちゃんと仕事してる感じが好き。サラリーマンもシナリオライターも、ままごと仕事っぽくないのが、こう、すえた男のにおいがしそうな感じで良いです。社会人と学生の差とか本当に萌える。あとオカマがしっかりオカマなのも凄く好き。「誰がおまえを好きだと言った」「ピクニック」もおすすめ!基本はドタバタラブコメなので、ラブコメ好きな人には是非是非是非読んで欲しいです!
友人は「ああ、あの靴下が厚そうな作家さん」って言ってました。うん、まあ、靴下が厚そうな絵を描かれる作家さんです。
BLじゃない「おひっこし?」も可愛かった。つまり漫画が面白い。
■くいもの処明楽/ヤマシタトモコ
この漫画のすげーところは、1冊で完結する漫画なんだけど雑誌で連載されていたんだけど、この雑誌ってのが毎回お題があるんです。ちゃんとそれに添ってるけど不自然じゃないのが凄い…。年下攻め、ナイスアシスト!の脇役がいる、ちゃんと働いている感じ、ハッピーエンド。
特徴として、台詞にせよモノローグにせよ「厳選された言葉」というイメージがあります。これが疲れる人はこの作家さんはあんまり好きになれないかもな、とは思う。それから、BLで大事なことだと思うんだけど、メイン2人を取り巻く環境がとても自然。日常生活の上での恋愛であるということ、女子が当て馬としてだけの登場でないということ。女子成分はかなり高いんだけど、それがまた強くて尖っていて、女のカッコよさってこれかも!って思わせてくれます。
他のコミックスも全部オススメですが、ラブコメ度が高く、鳳とか古泉とかいわゆる「王子様攻め」に引っかかりやすい人は「薔薇の瞳は爆弾」の表題作を読んでみるといいと思います。私は一番好きだよ。「恋の話がしたい」も好き、っていうか、うん、全部好きだよ。
同じテンションでBL以外も出始めているので、「これはBLっていうか漫画として面白い」と感じた人は是非。
出版社によって制限あるんだろうなー、と思わせる作家さん。
(あと、ちょいちょいサンゾロを感じさせる)(って言わない方がいいんだろうなきっと)(飽くまで主観だから言うけど)
■千一秒物語/トジツキハジメ
…これも兄弟もの、っていうか双子か。えろくはないです、大丈夫。
この人の描く男子の男子らしさ、骨太っぽいところと男子ゆえのメルヘンなところがとても好き!それから脇役の女子可愛いよ~。友達を好きだというのに憚らない、最初は恋愛だったって言い切るときに全く後ろ暗くない。凄く可愛い。
あとは言葉遊びが凄く上手な人なので、台詞回しが気に入ったら他のも読んで欲しいな~
■のはらのはらの/雁須磨子
雁須磨子に関しては全肯定しちゃうので、逆にあまり書くことないんだけど…
BLの中ではこれが一番読みやすいように思います。
部活が好きで、でも出来なくなってしまうことと、部員のみんなとの距離。それを外側から眺めるひとの視線。と、絡んでいくラブとか萌えるに決まってる。ちょっとぼんやりした雰囲気が可愛いです。脇役含めてみんなちょっとぼさっとしてるのがいい。
■Mr . コンビニエンス/阿仁谷ユイジ
作者2冊目の本。1冊目「喜劇 は恋で 進化する」も相当好きなんだけど、「大の大人が」っていう点で2冊目のがより可愛いです。と思ったけどどっちも好き。後書きで作者がたくさんの人に感謝しまくってるんだけど、そういうの読むと「どうりで愛で溢れてると思ったら」みたいな気持ちになれるのも含めて、大好き。
この作家さんも脇役が男女ともに物凄く良い。後から適当に配置されたんじゃなくて、ちゃんとメインキャラクターの生活背景として存在している感じがする。
あと、博多弁がめちゃんこ可愛いよ~!方言萌えがある人も是非。
エッチがねちっこくて粘っこいもの好きです。目が眩んで熱暴走してる感じがいい。愛だよな、って感じがします。
■隣りの/腰乃
日本人ゲイって感じがするエロシーンが魅力です。(??)AV見てる気分になる。これが可愛いんだ!
さらっと交わされる会話が地に足ついてる雰囲気で大好き。台詞がめまぐるしく走る独特のテンポがいいです。
絵はさらっとしてるけど、やってることがどぎついので、エロシーンに好き嫌いがはっきりしてる人だと受け入れられないこともあるんじゃないかと思います。
■初恋の70%は、/山中ヒコ
宍戸受け好きな方には今更紹介するまでもなく、商業BLも割と宍戸受けの雰囲気がしてます。ちょっと頑固、ぶっきらぼう、部活命、優しくされても簡単に転ばないっていう男子が受けのな!私も大好きです!!!!
中でもこの本はドストライクのど真ん中です。
「王子と小鳥」「丸角屋の嫁とり」も若干そんな匂い(宍戸さん)がします。っていうのは作家さんにとって迷惑なフィルターだし不名誉だし何もいいことないかもだけど、宍戸受けが好きな人の指標にはなるかなーと思って書いておく。あと、要素としてBLにありがちだし、展開もありがちといえばありがちなんだけど、表現や課程がするっと入ってくるのは腕だよなーと思わせます。これまで砂漠ものとかに違和感あった人に読んでみて欲しいです。
ていうか速水さんが宍戸受けかどうかは知らない…どうなのかなあ。
カッとなったときの表情が秀逸だと思います。受けの子のカッとなった顔、もう、本当に、凄く良いんだよ~~~。
■ルールそのいち 完全版/村上左知
可愛い絵柄で可愛い話なんだけど、受けの子が基本的に「俺はゲイだ」という自覚をめちゃめちゃ持ってる、っていうのが多い作家さん。(別の本では、女の子みたいな外見の男子が、付き合ってる男に「似合いそうだから」と女装させられそうになって激昂していた。ゲイとして我慢ならないそうです。面白いな~)基本的に「男が好きなんじゃない・お前が好きなんだ」とか、あんまりない。俺はゲイだしお前は男だから好きだ!っていう。笑
この本はそれが凝縮されてると思います。受けとか攻めとかじゃなくてタチとかネコだよ!こんな顔してるのに!!可愛い可愛い可愛い!もちろん強要しませんが「リバとか意味わかんねえよ、どんなもん?」ていう時期に読んだらいいと思います。どっちも受けとか可愛すぎる。受けじゃなかった。ネコだ。どっちもネコ。
■恋のまんなか/松本ミーコハウス
学生がどんなにいきがったって、この程度しか動けない、とか、学生だからこんなことに振り回される、とか、そういうものが生々しい。つっても物語の中だからハッピーエンドとか気が遠くなるほど優しくて甘ったるいんだけど、そうでないと報われない(読んでる方が)。
それと、BLにおける、意地の悪い攻めがどんなに弱いか(弱いと萌えるか)が存分に味わえると思います。
「テレビくんの気持ち」はもうちょいラブコメタッチで優しいです。DV表現は絶対嫌だという方は、こっちから読んでみてください。
絵は線が細く、男臭さはない感じです。余談だけどわたし、どうしてこの人のテニス本買わなかったんだろう。死にたい。
■同級生/中村明日美子
もう、正直なところ、「同級生」以外は本当に怖くて苦手です。ロリが怖いんですよね…わたし…と言いつつ、半分くらい持っているから、何かもう圧倒されているのかも。
「同級生」はとてもスタンダードなBLで読みやすいと思います。わたしが去年買ったBLで一番のオススメ!!!
絵で引いてしまわれた方、これだけは、この本だけは大丈夫ですから!かあいいから!お耽美と違うから!
コミックスが出た後で、雑誌にこの二人の話が何話か掲載されたので、続刊出るのかな?別のお話に収録されるなら、それはそれで買います。物凄く楽しみ。
■この世異聞/鈴木ツタ
絵が綺麗でテンポのいい漫画。さすがにリブレで描くとなるとド王道ネタなんだなーと思って読みましたが、見せ方が上手だし面白かった!
竹書房から出ている本のほうが、作家色が出ているように思います。(=王道ではないけどとても面白いよ!)
「あかないとびら」に入ってる話かなあ、受けがむりやり咥えさせられてるっぽいシーンがあって、それは攻め視点なのね。私はあんまり「受けがフェロモン出してる」とか「無理矢理」とか好きじゃないんだけど、これの凄いとこは次の回が受け視点で、受けが「えっ!触っていいの!?ラッキーー!!嘘っ、しゃぶっていいのぉぉ!?!?」ってテンションなの。大好きすぎる。たまんないです。というわけで、出てるもの全部好きな作家さんです。
■さわって、とかして。/小鳩めばる
オムニバス形式で、イッツ・ビーエル!て感じの可愛い本です。汁っぽさとか喘ぎ声がとても可愛いくてやらしくて好き!必要なことが必要なだけ入ってる!!!入ってるっていうとやらしいな!!!(みたいなテンションになる本です)
1番最後に収録されている兄弟ものがオススメですが、兄弟ものダメな人は注意してください。バカの子受けとか、年下攻めとか、私のドツボだな~っ!
■wonderful days?/天禅 桃子
攻めが死ぬほどカッコイイときは、受けもカッコイイのがいいです。という気持ちになります。で、受けの人が可愛くなってしまうのは攻めのせいだよっていう…。
「攻めがモデル・外国の血が入っている」という、BLらしい要素でBLらしい展開で、もうたまんないです。はいはいご馳走様、です。限定版の小冊子、読み返しすぎた。「丘の上の楽園」も王道だなあ。先生もので、同僚の女の先生が超カッコイイっていう。素敵成分が詰まってます。
王道が好きという方は合うかもです。
寿たらことかよしながふみとか、もう絶対外さない!てのもあるんだけど、私がオススメするならこれ!てのを載せてみました~。
ちゃんと本棚漁ってBLタワー崩したら、もっとオススメ出てくると思うんだけど、とりあえず!
全部読んだことある方は「ああ、わかる、すっごい影響されてるよね凪さんて」てことになるんじゃないかな…あんまり自分のルーツとか嗜好とかぶちまけてしまうと恥ずかしいんだけど、でもしょうがないね、みんなにも読んで欲しいんだもん。気になってたタイトルあったらこれを機に是非!!そんで私とわーきゃー言い合いましょうよう!!
上のは、一応作家別で1冊ずつピックアップしてみたけど(BLというより漫画も小説もみんなそうだろうけど)、出版社や雑誌の特徴で好き嫌いも別れるところかなーという気もします。
リブレは過不足ないイメージ。えっちもし過ぎない、酷いオチやマニアックすぎるものは大物作家のみ。
ジャケ買いしてもあんまり外さないのは東京漫画社です。業界事情は全く知らないんだけど、同人作家で上手な人をスカウトして描かせているっぽい、のかな??それだと外れないのは当たり前というか、自分が知りえないジャンルで描かれている作家さんが手に取れる範囲の漫画を描いてくれるのは物凄くラッキーだと思う。作風も制限されてない感じを受けます。
で、ピアスはぐちゃぐちゃのどろどろです。ちょっと頭悪いくらいのエロとかが読みたいときは真っ直ぐピアスです。迷いません。仕事に疲れて帰ってくると、そういうデトックス効果のあるBL漫画が読みたくなるんだよ…。
人から聞いた話だと、BL漫画に求められるものはリアリティではないから、会社社長は詳細を入れる必要はなく、ちょっと細かくなっても「IT企業」とかで、あとは「何かしらの会社の社長」になるんだって。何だそれ。相手が小中学生ならともかく、大人が読むには足りなさ過ぎるよ~~というわけで、そのあたりを好きにさせている雑誌、もしくは制限を受けにくい作家(売れる作家)のを贔屓にしてしまう傾向もあります。
何かしらの社長、でもいい時は確かにあるんだけど。あと女子は当て馬とかな~。感情移入しやすいように作られるべき、というのもわかるんだけど、作家の味を殺してまで徹底すべきものではないと思ってる。
分かりきったことを、さも大発見のように、今更言い出すのが凪クオリティです。
お粗末様でした。
Have a nice BL life!