わーーーでも眠い!
明日会社行きたくない!(っていうのは毎日言ってる!!)
今日もまこのDVDを見たけど、やっぱりあいつ睡眠導入DVDだよマジ眠い!
眠れなくなっている人はまこ見たらいい。
脱稿へのカンフル剤に、と思って、BL漫画を4冊買ってきました。
ああー楽しい…!
思ったことを上手にしゃべれない子もえ!!
ところで会社で簡単な電話メモを渡すとき、
○○さん
○○部)○○さんからTEL有り、折り返して下さい
(時間) 受)nafi
みたいに書くんだけども、自分で書いといてこの↑受)が可笑しい。
別に何も受けてないのに、他にも書き方あるのに、可笑しくて可笑しくて書いてしまう。
っていう話は会社の人にはできない。
改めて書き付けてみると何も面白いことなかった…なんだろう、仕事でおかしくなってきたのかなあ…というほど、仕事してねーけどな!!
続きに王道バトン
俺も馬鹿だった。
よくよく考えたら分かりそうなもんだよな、こんなゴミ捨て場に人間が転がっていていいはずがない。俺以外の住人の皆様は一目見て(もしくは凝視した結果)、こいつが人間じゃないと気付いてそのまま放置したんだろう。
しかし地面を叩きつける雨がけぶっていて、視界が悪かった。
躾の行き届いた地域住民は、指定された曜日以外にゴミを出すなんて悪行はまったくせず、その人間モドキはべちゃべちゃに濡れたコンクリート・ブロックに背中を預けて座っていた。手はだらりと落ちて、足も力なく投げ出されている。長めの前髪と俯いているせいとで、顔はよく見えなかったが、とにかく衰弱しきって動けない人間なんだと俺は思った。
焦ったかって?ああ、焦ったとも。
気温はそう低くもなかったものの、雨に打たれてぐったりしているのは異常だろう、通りかかった善良な市民としては無視するわけにもいかない。それに相手は子供だったからな。
そうして慌てて家に連れて帰り、風呂に入れようとするも体に力が入らないようで、俺も一緒にシャワーに付き合う破目になった。ふらふらと、立つことも敵わない体を抱えて、薄汚れたシャツを脱がせてガリガリの体に温度調節をした湯を当てる。子供だ、と思ったが、そうでもないのかもしれない。何せ痩せすぎているから、よく分からない。浴槽が狭い、ってことだけは確かだが。
俺がバスタブで悪戦苦闘していると、母親がやってきて、驚いた顔をしていた。
「何か、着るもん用意しといて」
「え?」
「子供服…はナシか…?まあいいや女物でも入りそうなやつで」
妹の服でも、入ればいいだろうと思って言ったつもりだったが、母親はバスタオルを二枚出しながら、
「でもすぐ大きくなるでしょ」
と言った。まるで会話が噛み合っていない。
「は?」
「だから、あなたが拾ってきたんだから、すぐ大きくなるでしょ」
「そんな、犬猫じゃあるまいし、それにすぐ警察に届け…」
「犬猫じゃないけど、雛型なんだから、よっぽど大きくなるわよ。新しく買って来た方がいいかもねえ」
雛型、って、あれか、巷で大流行の育つ人形。栄養源は飼い主の愛情だとか何とか、そんなの誰がどうやって測るのかっていうところに俺は疑問を呈するね。
「ほら、ぼーっとしてないで早くお風呂入りなさい。服は何とか探しておくから」
反論を許さぬ素早さで母親は風呂場の戸を閉め、残された俺は腕の中で大人しくしている雛型を見やった。
「お前、雛型か」
「そうです」
やっと声を聞けたと思ったら、からからに乾涸びた可哀想な音が崩れるようにして出てくる有様だ。愛情をやれるかは現時点で何とも言えないが、労わることならできそうだな、と思った。何度も言うと嘘くさくなるが、俺は善良な市民なんだ。
風呂から出ると、俺の服が2セット出ていた。おいおい、だから子供用の服でもいいくらいだって言ってるのに。
しかし素っ裸のままうろうろするのも躊躇われる。
「一人で着られるか?」
雛型が風邪を引くか、なんて知らないわけだが、自分より小さい生き物であれば可能性はゼロではない。従って自分の世話を後回しにして髪をわしわしと拭きながら尋ねても反応がない。
「おい」
「僕は、何を、一人で着ますか?」
「服だよ、服…いい、俺が一緒にやってやるから、覚えろよ」
覚えさせてどうするつもりだ、俺。雛型なんかと暮らして、責任持てるのか。あれは家族に先立たれた爺さんなんかが余生を豊かに暮らすために購入したりするもんだろう、俺に人間の雛型の責任なんか…。
「一人で着られます」
俺の思考をぶった切って、骨と皮でできているような雛型ははっきりと言い切った。
「一人で?」
「着られます」
「…じゃあ、どうぞ」
狭い脱衣所で背中合わせ、俺は自分の服を脱いで(そう、着たままバスタブに浸かっていたのでずぶ濡れだ)、バスタオルで拭いているとうっかり背中の雛型にぶつかってしまった。尻相撲どころではない、俺は尻だが相手は背中をぶつけてよろけ、「うわあ」と間の抜けた悲鳴が上がったかと思うと、ごつん、と痛そうな音がした。
「…頭打った、か…?」
「お、」
「お?」
「おかまいなく、僕のことなどお気になさらずに」
明らかな痩せ我慢に、俺は噴出したね。無表情でいられる奴がいたらお目にかかりたい。笑われることが恥ずかしいことだとインプットされていない雛型は、相手が笑っている、ただそれだけの事実で溶けそうな笑顔になった。溶けそうというか、融けそうというか、蕩けそうというか。
何だこれ、ちょっと可愛いじゃないか。
最近雛型は孫の居ない老人だけでなく、結婚しないOLさんにもウケているとニュースの特集でやっていたのを思い出した。少しだけ、俺にも分かる気がする。確かにな、紫の上とか青田買いじゃないけど、自分の愛情を必要とする可愛い生き物が存在するなら手元に置きたいって気持ちは、まあ、少しだけ、少しなら。
あんまりこの気持ちを肯定すると、何だか良くない気がして、俺は「子供の面倒を見ているだけだ」と思うことにした。「で、あんた、その雛型まだ続いてんの?」
「続くも続かないも、止めるとか止めないとかいう問題じゃないだろうが」
「…捨てられてたんでしょ、その子。だからあんたは絶対に捨てちゃだめよ。この世もそんなに悪かないって思わせないと。あんたが育児ノイローゼになりそうだったら、その、…名前、何ていうの?」
「古泉」
「苗字?」
「古泉一樹。うちの親が昔好きだった芸能人の名前だとさ」
「ふうん。じゃあ、その古泉君をあたしが預かってもいいからさ、一人で悩んじゃダメっていうのは今や世間の常識なんだから!」
まるで俺が新米ママであるかのような、相手―いつもどおりの涼宮ハルヒだ―が前の職場の同僚であるかのような、ここが学校の中庭ではなく小じゃれたオープンカフェであるかのような、言い草だ。
だが生憎だったな、ハルヒ。
「何よ?」
「明日から登校だ」
「は?誰が?」
「話の流れから分かるだろ、件の古泉一樹だよ」
「えっ…ちょっとキョン、あんた、愛情注ぎすぎじゃないのぉ?」
どの程度の愛情が、どのくらいの糧になるかなんて普通は分からないだろうが。大体、そんなのは相手の受け取り方によるわけで、つまり造語で申し訳ないが相手の『受け取りしろ』(のりしろ、みたいなものだと思ってくれ)がどれだけあるかで変わってくるだろう。
俺には妹がいるが、普通より少し小さいくらいだぜ?同じように接してるはずだっていうのにな!
「驚いたわー」
「俺もだ。そもそも、何の変哲もないこの公立高校に育った雛型を受け入れるなんて、」
「まあ、ペットみたいなもんじゃないの?情操教育とか…」
「そういうのは小学校でやってくれ」
「そうよねえ」
不思議ねえ、と繰り返すハルヒの呑気な顔を見ながら、明日から始まるドタバタ劇のことを思って俺は非常に憂鬱になった。この、「呑気な顔」が曲者なんだ。明日になったら、古泉一樹という絶世の美形、物腰穏やか、こんなに丁寧で柔らかい雰囲気のハンサム王子なんて、パチンコにまでなった韓流のナントカ様か古泉か、ってところだろう。
憂鬱だ。
その王子様が、あろうことか俺しか見ていない。全力で俺を見て、俺の愛情とやらを日々の糧にしているのだ。奴を生かすには俺も無碍にはできず…憂鬱だ。
俺の苦悩を知りたくもないらしいハルヒは、椅子の上で組んだ足をブラブラと揺らしながら、「あたしも雛型欲しいな、ほにゃほにゃ巨乳で癒し系の子とか、ぺたんこでクールで無口でエキセントリックな子とか」と呟いていた。果たして、お前みたいな破天荒娘の愛情を人間の雛形が感じ取れるかね?
ああ、それにしても明日、明日のことだ。